【2018年の年賀状作品ご紹介】手触り感ボッコボコ手漉き和紙の年賀状

年明けてから締め切りが続いていてなかなか書けませんでしたが久しぶりのお仕事ブログです。

さてさて予告しておいた素敵なデザイナーの素敵な年賀状、第一弾です。

今年は戌年なので「戌」の文字がメインのデザインです。
風合いのある手漉き和紙に金箔、「戌」の右上のテンが赤箔の丸で全体をキュッと引き締めています。
和紙の色が3種類あって、少しずつ印象が違って面白い!

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こちらは、昨年鳥の羽の形の年賀状でうっとりさせてくれた、有限会社バウス様のデザインです。
(昨年の年賀状のブログはこちら
実はこの他にも、手書きの文字部分がスミ(黒)で印刷されたバージョンもありました。
普段パッケージを中心に筆文字を得意にしたたくさんのお仕事をされているだけあって
そちらの手書きの風合いもとても素敵でしたよー。

こんな手触り感のあるおめでたい年賀状、もらったら嬉しいですよねー。


けれども「ヤレ」が普段よりも多く出たお仕事でした〜。
一例をアップしますが、スミとアカの2色がズレてしまい、折れも出ています。
もちろんこういうのは納品時に検品して除いてあります。

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印刷というのはとにかく諸条件によって色々なトラブルがつきものです。
紙が折れたり曲がったり、インキがうまく乗っていなかったり。
とにかく商品にならないものを「ヤレ」と言います。
漢字で書くと「破(や)れ」になります。
「ヤレ 印刷」で検索するとこれを紹介したサイトがいろいろ出てきて面白いです。


なぜこんなに「ヤレ」が出たかというと、
手触り感ボッコボコ手漉き和紙だからです!
通常、印刷用紙は印刷機に通す時に、用紙の端をぴったりとそろえて、位置を整えます。
ところが手漉き和紙だとどうなるか?

紙の端は一枚一枚ふわっと自然に切れており、形も違えば厚さも違います。
端をぴったりとそろえることは不可能です。
表面もボコボコしているので、紙どうしが引っかかってしまいます。


相当苦労しただろうなー、と思い現場の職人さんに話を聞きに行きました。
その反応は想像と違っておりました!

宛名面の2色印刷の責任者、Iさん。
「端をきちんとはそろえられないけれど、思ったよりも折れも少なくて案外すんなり通りましたよ〜」
おおー、これまで数々の難しい印刷をこなしてきただけあって頼もしいお言葉。

箔押しを担当したHさん。
「金箔→赤箔の順番で箔押ししましたが、これはどちらの順番でも大丈夫ですね。
もちろん端がそろわないのでフィルム通りにはいきません。
(注:デザインを透明のフィルムで出力して、位置合わせしつつ箔押し用の銅版をセットするのです。通常の紙だとぴったり位置合わせができます)
それに、箔がつきにくい紙なのでどうしても強目に押すことになります。
そうすると箔の表面に紙の地模様が映ってくるので、ツヤツヤ感が少なくなってしまいます。
裏側にも押した跡がついてしまいます。
そういう色々なことが起きますが、それにご了解いただければ」
職人さんらしい、丁寧なお話でした。

確かに赤箔の丸の位置が動いて変わってしまっているのがお分かりでしょうか。
(それらを吸収してしまえるおおらかなデザインなのがありがたいです)
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【今回の教訓】
こういう手漉き和紙でも大丈夫! ただしデザインはおおらかな感じでお願いします〜!



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by wakocards | 2018-01-24 19:33 | 紙のはなし | Comments(0)