カテゴリ:職人さんのはなし( 1 )

「じゃあ、これ99.98%に縮小して手配してね」
「えっ?」

銅版を発注する際のことです。
最初、そう指示されたときに意味がよくわからなかったです。

99%じゃなくて、99.5%でもなくて、99.98%。

元のデータからアナログの工程に入って、銅版を作成し紙に印刷するまでの間、文字などが多少太ったり細くなったり、データ通りにはいかないだろうということは薄々というか、割とわかっていました。
(和香では新入社員ですが、デザイナーのお仕事は長年やっていたので)
銅版は、データと比べて微妙に伸びてしまうのだそうです。

用紙に箔押しをするときには、フィルムを重ねて位置合わせをしています。
そこで合わなくなってしまうのかな?
それにしても99.98%だなんて、そんな微妙な縮小をしなくても、気がつく人はほとんどいないのではないだろうか?
そう感じていました。

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でも、そんな微妙な指示が入るのにはちゃんと理由がありました。

和香に入社してから銅版の発注を100件以上行いましたが、サイズの小さなものではそういった指示はありません。

箔押し印刷は、箔1色だけの仕事もありますが、普通のオフセット印刷をした上に、指定の位置に箔押しをする、という場合もあります。そして銅版作成の面積が広いと、伸びてしまう差が広がってしまう。

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そういう場合に限っての指示でした。

やはりこれは長年現場でたくさんの仕事を行なってきた社長 兼 工場長の実感なのでしょう。

日本の伝統の手仕事を支える職人さんたちは、指先の微妙な感覚で数値では表せない仕事をしています。
その微妙な感覚をあえて数字にしたのが「99.98%」なんですね。

そういう現場に居合わせていることに誇りを感じます。


そういえば……
和香に入社して最初に手掛けた箔押しのための銅版発注は自社の年賀状でした。
赤箔と金箔が抜きあわせでぴったりくっついているデザインでした。
赤を先に押して、後に金を押しています。この時も0.1ミリほど赤を少し太らせるように言われました。
これは少し版ずれがあっても隙間を出さないという裏技でした。

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とっても勉強になりますー^^



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by wakocards | 2017-06-14 11:08 | 職人さんのはなし | Comments(0)